maniac





「んっ、おいし〜ッv」
校内にある食堂は何時でも何でもすごく美味しい。
美味しい物を食べてる時ってどうしてこんなに幸せなんだろ?
「ホント、美味しそうに食べるよな、啓太は。」
テーブルを挟んで向かい合って座る和希は、
自分の箸を殆ど動かさずに、オムライスを食べる俺を見てニコニコしている。
始めの内は、見られながらは食べにくくて、
和希に何度か「見ないで」と言った事があったけど、
それでも、嬉しそうに見ているので、
最近はちょっと馴れて、まあいっかなんて思っていたりする。
「学食がこんなに美味しいなんて、さすがだよなぁ。」
世間で聞く学食って言えば、値段は安く、量は多く、味はそこそこ、
ってイメージがあったから、正直ここのを食べた時、ビックリした。
「そりゃもう、啓太の為に一流のシェフを雇ったからね。」
「ふ〜ん。て、え?」
一流シェフはわかる、それはわかるけど、俺の為って。
それがさも当たり前のように言ってのける和希の表情は、
さっきと微塵も変わりない。
「あのさ、和希ぃ。」
ちょっとそれは職権乱用なんじゃ、と言いかけた時、
「あ、啓太ご飯粒ついてる。」
さっきよりも楽しそうに和希は教えてくれる。
・・・一体何がそんなに楽しいんだろう?
「う、どこ?」
まあ、確かにこの年になってご飯粒つけてるなんて恥ずかしい。
口の回りを確認しようと、手を動かした瞬間、
ヒョイと和希の指が伸びてきて、俺の頬に付いていたそれを
摘み取った。
「あ、サンキュ。・・・って!和希ッ!!」
摘み取ってくれたまでは良かったのに、
事もあろうに和希は俺から取ったご飯粒を、
そのままパクッと自分の口へ放り込んでしまった。
「ん?直接口で取って欲しかった?」
「〜〜〜〜〜っ!」
しらっ、と答える和希にはもう何を言っても無駄なのだと、
短い間に悟っていた俺は、大きくため息をついて自分を落ちつかせると、
もう一度食事を再開する。
和希も、充分楽しんだのか、何事も無かったかの様に箸を持つと食事を始めた。
「でもさ、啓太。」
・・次は何?
平和な食事時間がやっと訪れると思ったのに。
ピクッ、と手に持つスプーンが止まってしまう。
「啓太はやっぱり赤が似合うよな。」
「赤?って?」
和希が真面目な顔をして、言ってくるものだから、
つい、聞いてしまったけれど。
俺の言葉にニッコリと笑った和希の顔が、
よくぞ聞いてくださいました、と言っているのがものすごくわかって、
すぐに後悔する事になった。
「制服の色。啓太は赤が似合うだろうなぁ、と思ってたけど。
うん、やっぱりこれにして良かったな。」
「!!」
そんな理由で制服を決めて、反対意見とか出なかったんだろうか?
初めてこの制服見た時、すごい趣味だなとか思った事は、
やっぱり言わない方がいいんだろうな。
「でも、赤の制服って珍しいよな。しかも、黄色のライン。他では見た事ないし。」
「制服専門のデザイナーに特別に頼んだからな。
啓太の写真を渡して、この子に似合う制服にして下さいって。」
待て、和希。
既に職権乱用の粋を大きくはみ出ている和希の発言に、
さすがの俺も暢気に食事している気にはなれなくなってきた。
「あのさぁ、赤なんて苦手な人も多いだろ?特に男子校だし。
俺、篠宮さんがジャケット着てるとこ見た事ないよ。あと、成瀬さんとかも。」
「だから、自由にしてるんじゃないか。
これが嫌だったら、女王様みたいに自分で好きなのを着ればいいしね。」
「・・・・・」
「どうした?啓太?」
「・・・・続き食べよ。」
「ちなみにそのスプーンも、啓太の口のサイズに合わせて作ったんだ。」
・・・・もう、好きにして下さい。





はふ〜んvvしもかわさん有難うございますう(T▽T)/
変カズのお話を聞かせて頂いたとたん「くれ」と図々しく強奪宣言したワタクシにこんな素晴らしい物を〜〜〜っっ!!
もうまじでワタクシの一生はしもかわさんの物ですわっ!しかも返却不可っ!(マテ)
あまあま基本の変態な和希・・・vああんったまらない〜〜〜っ!
しもかわさん愛してますわ〜〜っ!
2003.8.19